こういった疑問に答えます。
教室の月謝を値上げするのはちょっと気まずいですよね・・・!
ただ、現在の収入に満足できなくなってきたなら、値上げもやむなしです。本来なら最初からあまり安くしなければ良かったわけですが、「そんなこと今さら言っても」という話ですので、勇気を持って値上げしましょう。
というわけで、今回はピアノ教室の月謝を上げるときの上手なやり方について書いていきます。
「値上げしたい・・・」と思うなら、それは必要なこと
まず、「値上げしようかな、それともやめようかな?」といった感じでまだ決めきれていない方がいたら・・・値上げしましょう。
なぜあなたは値上げしたいと思ったのか?というと、おそらく現在の収入に満足できなくなっているからですよね。
それは言い換えると、あなたの教える技術が上がって先生としての自信が身についてきたということです。
なので、「値上げしたい・・・」と思ったら迷わずしましょう。
もしここで値上げしなかったら、ずっと納得いかない収入のまま不満を抱えつつレッスンすることになりますよね。
そんな状態で、良いレッスンができるとは思えません。
月謝に納得していないのに、レッスンの内容をとことん突き詰めるエネルギーが持てますか?
生徒さんと先生の両方が満足できるレッスンが本当に良いレッスンです。
なので値上げは必要なことと割り切った方がいいと個人的に思っています。
というわけで「値上げは必要なこと」とお話ししました。
じゃあどうやって値上げすればいいの?というところが気になるはずなので、まずは私が自身の音楽教室のレッスン代を値上げした実例をシェアしたいと思います。
【実例】私がレッスン代を値上げしたときの方法
月謝を値上げするパターンはいくつかありますが、私の場合は新規の生徒さんのみ値上げを実施しました。
つまり、それまで来てくれていた生徒さんはこれまで通りの安い料金でレッスンするということです。
これなら新しい生徒さんは値上げされたと悪い気分にもなりませんし、以前からいる生徒さんにはお得感を感じてもらうこともできます。
ちなみに値上げの具体的な内容は下記のとおり。
という感じです。つまり1回のレッスンあたり1,000円の値上げをさせていただきました。
なぜ値上げしようと思ったのか→実は成り行きでした
実はうちの音楽教室でははじめから月謝制8,000円とワンレッスン制5,000円の両方を採用しており、生徒さんに選んでもらっていました。
決まった曜日に来てくれる生徒さんはこちらも予定が立てやすいので、ちょっとお安くレッスンしていたわけです。
でも私が子育てと並行してレッスンするようになり、「予定は未定」という状態になってしまったため月謝制は廃止せざるを得ませんでした。ワンレッスン制だけが残ったわけです。
ただ、それでは申し訳ないので古くからの生徒さんには以前と同じ料金、つまり1回4,000円のレッスンで対応させていただいています。
お知らせの方法としては、私はひとりひとりレッスンの時に口頭で説明させていただきました。メールやお手紙だと気持ちがうまく伝わらないと考えたので・・・基本的に出産、子育てという私の一方的な理由だったので、そこは真摯に対応する必要があると判断しました。
参考になるかどうか分かりませんが、あなたにとってなにかのヒントになれば嬉しいです。
他にはこんな月謝値上げの方法がある
私が個人的に感じていることは「理由なき値上げはNG」ということ。
なぜ値上げしたの?って生徒さんの立場だったら必ず気になるはずです。
なので必ず値上げの理由は用意しておきましょう。
さて、私の取った値上げの方法があなたに合わない場合もあると思います。
そこで世間一般ではこんな値上げのやり方がある、ということを調べてまとめました。
以下5つの方法について解説します。
- 区切りのいいタイミングで値上げ(早めに告知)
- 高いコースと安いコースを同時にリリース
- 新しいサービスを追加
- 設備投資してより良いレッスン環境を提供
- レベルやグレードが上がった時に値上げ(個人的にはおすすめしない)
全員値上げ
これはシンプルに「生徒さんを全員一律で値上げする」という方法です。
ここでの注意点は、生徒さんにできるだけ早く告知しておくことです。いきなりだと生徒さんもびっくりしますし、不信感が生まれてしまう可能性もありますからね。目安としては半年以上というところでしょうか。
そして生徒さんの納得感を得るために、先ほどお話ししましたが「値上げの理由」を伝えるべきかと思います。
ちなみに例をあげておくと「ありがたいことに生徒さんが増えてきましたが、そのぶん私の体力的・精神的負担が重くなってきたので申し訳ないですが値上げさせてください」とか。
簡単に言ってしまうと「キツいから値上げします」ということになるのでわりと真っ正面から切り込んでる感じになりますが、無理やりなうさんくさい理由をつけるよりずっと良いと思います。生徒さんからしたら何も言えないですよね。
タイミングとしては新年度や発表会後など区切りの良いポイントがいいでしょう。
値上げが嫌な生徒さんは辞めやすいのでいいと思います。
なお、近隣の先生と交流があるなら「値上げで教室を移りたい場合は新しい先生を紹介します」というのは良いリカバーだと思います。ちょっと手間が増えるもののあなたの真摯な対応が伝わりますし、その先生にとっても悪い話じゃないですからね。
高いコースと安いコースを同時にリリース
もしこれまで料金コースが「個人レッスン○円」だけだったなら、グループレッスンを開講するのは一つの手です。
ちょっと安い価格でグループレッスンを取り入れ、個人レッスンはちょっと値上げします。
つまり個人レッスンの価値を自然に高めるという方法ですね。
「グループレッスンじゃなく、やっぱりマンツーマンで見てほしいよね」という生徒さんは個人レッスンを選んでくれますし、「安いほうがいいな」という生徒さんはグループレッスンにまとめることであなたの仕事時間を効率化できます。
ただグループレッスンは弦楽器や管楽器であればイメージしやすいですが、ピアノだと「楽器どうするの?」という問題も。これについては参考までにヤマハの例をみてください↓
広い部屋と設備が必要になってしまいますが、グループレッスンもやり方次第では可能です。
ちょっと現実的じゃない場合は「連弾レッスン」なんていうのもありではないでしょうか?アンサンブル力が身につくのもメリットですし、意外に「一人でやるより楽しい」という生徒さんも多いはずです。
新しいサービスを追加しつつ値上げする
新しいサービスとはたとえば
- 生徒さんの「弾きたいけど弾けない曲」を簡単レベルにアレンジしてあげる編曲サービス
- 練習してこなくても気まずくない!むしろ練習のやり方やコツがわかる「練習おつきあいサービス」
- 出張レッスン(往復にかかる時間も含めてプレミアム価格にしてOK)
こういったもの。
他の教室ではやっていない付加価値をつけ、差別化します。こういった新サービスをリリースしつつ全体的な値上げをすると納得感は得られると思います。
設備投資してより良いレッスン環境を提供
たとえばピアノ教室だったら
- グランドピアノを新しく買い換える
- 部屋をリフォームしてきれいにする
- インテリアやソファにこだわる
といった感じで、もっとレッスンの時間を快適に過ごしてもらうための工夫を頑張ります。
で、この場合は「教室をリニューアルするのでレッスン料を値上げさせていただきます」という形にするといいでしょう。
レベルやグレードが上がった時に値上げ(個人的にはおすすめしない)
生徒さんが弾けるようになってくると、レベルに応じてレッスン料金を値上げする、というケースは多いです。単純に小学生になったら◯円、中学生になったら◯円と年齢で分けることも多いよう。
曲が難しくなるので先生の負担も増える、という理屈みたいですね。
なので私の教室ではレベルや年齢別の値段分けはしていません。あるのは自分の決めた時給のみ。
個人的な考えなので、あくまで参考までにお伝えしました。もちろん年齢によってレッスン時間が増えたならその分はきっちりいただいてくださいね。
月謝の値上げによるメリットとデメリット
月謝の値上げに関してメリットとデメリットをまとめました。
月謝を値上げするメリット
生徒さんの質が上がる
世の中にはいろんな収入の方がいらっしゃるので、月謝を高く設定すれば払える生徒さんが来るというだけです。
勇気を持って値上げすると、上質なお客さんが来てくれます。そういった生徒さんは丁寧で品が良かったりするので、こちらも精神的に消耗しない場合が多いです。教室全体の品位が上がるかもしれませんね。
逆に安い価格でレッスンしていたとしたら、「できるだけ安いところがいい」という生徒さんしか集まりません。完全にあなたの善意で安くレッスンしていたとしても、周りから見れば「料金がやたら安いからきっと質が悪いんだろう」なんて思われていたりします。
プロ意識が生まれる
レッスン料を上げるということは、自分に対してハードルを上げる行為でもあります。
安い値段でやっている時には、仮にサービスの質があまり良くなかったとしても「まぁ安値でやってあげているし、こんなもんだろう」となってしまうもの。
それでは自分の先生としての成長に繋がりませんよね。しっかりレッスン料を受け取ってこそ「自分はこれだけのお金をいただいているから変なレッスンはできない」というプロ意識が生まれると思います。
設備をグレードアップできる
高い月謝をもらっていたら、単純にお金に少しゆとりが生まれますよね。
そのお金をどんどん教室の設備投資に当てることができます。そのループを続けると、ほかの教室には簡単に真似できないくらいのグレードが高い教室ができあがるんですね。
「この教室、お金かけてるな〜」というのをたまに見かけますが、まさに積み上げの産物だと思っています。
月謝を値上げするデメリット
気まずい
値上げを伝えるのははっきり言ってストレスですよね。「申し訳ない・・・」と思ってしまうものです。
とはいえ繰り返しですが、値上げは必要なことなので後回しにせず実行しましょう。
ちなみに「生徒さんがやめて、減ってしまうんじゃなかろうか?」という心配があるかもしれませんが、これはそんなことないです。ちゃんと誠意をもって値上げの理由を伝えれば、そのまま続けてくれる可能性のほうが高いと思います。
生徒さんの立場からしてみれば、ちょっと値段が上がったからといって「やめます」とも言いにくいものですよ。
努力が必要
月謝を値上げするパターンについていくつかみていきましたが、共通して言いたいのは「ただ値上げするだけじゃダメ」ということです。
いっぱい生徒さんがいるからといってあぐらをかいてお金だけ徴収、というのでは信頼を失ってしまいますよ。
もし気持ち的にゆるい感じで教室を運営していきたいなら、値上げはおすすめしません。値上げするとサービス向上のためにそれなりの努力が必要になり、仕事のハードルも上がるからです。
最初から安くレッスンするのはなるべく避けよう
このように、月謝の値上げはけっこう色々と考えなくてはいけません。
なので、もしもこれを読んでいる方でまだ教室をはじめていないというのであれば、最初から安くしすぎないことを強くおすすめします。
「音大を卒業したばかりでまだ実績もない、自信もない。でもとにかく生徒さんを取る経験をしてみたい」というのならせめてキャンペーン価格にしてみては?
最初の半年は◯円でレッスンします、というものです。これなら半年後には堂々と値上げすることができるのでおすすめですし、その時点でどのくらいの生徒さんが継続してくれるかどうかというのも、あなたのレッスンの品質をはかるひとつの材料になるでしょう。
いずれにしても、あまり遠慮して安くやりすぎると後で苦しむことになります。むしろ高めに設定しておいて、生徒さんが来なかったら少しずつ値下げくらいがちょうどいいのかもしれません。
収入も技術も徐々にレベルアップしよう(まとめ)
ちょっと長くなってしまいましたが、今回はピアノ教室の月謝を値上げする方法や伝え方、メリット・デメリットなどについて幅広く書いてみました。あなたの参考になればと思います。
月謝の値上げは教室の質とあなたの意識を高める大事な要素です。現在の収入に満足していないのであれば、ぜひ検討してみてくださいね。
ちなみに、値上げを決心する際の後押しとなるのが「集客」だと思っています。集客がうまくいっていれば、仮に値上げで生徒さんがやめてしまっても新しく募集できるから強気に出られますよね。
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