「ヴァイオリンを思いっきり練習したいけど、家では近所迷惑になる・・・」
という時には、ミュート(消音器・弱音器)をつければ音が小さくなって安心です。
でもどれくらい静かになるのか?種類もいろいろあってどれがいいのか?迷いますよね。
ヴァイオリンのミュート(消音器・弱音器)ってどんなもの?
そもそも消音器と弱音器とはどんなもので、どんな違いがあるのでしょうか?
実は消音器、弱音器どちらも仕組みが似ています。
ヴァイオリンは弓で弦を振動させて音を響かせる楽器です。
この弦の振動を抑えるために、弦を支える駒という部分につけるのが消音器と弱音器です。
仕組みは同じものですが、その効果には違いがあります。
簡単にいうと消音器は音量を小さくするもの。弱音器はヴァイオリンの音色をやわらかい音に変化させるもので、音を小さくする効果はあまりありません。
なので、練習する時に音量を抑えたいなら消音器をつけた方がいいでしょう。
一方の弱音器は音色をやさしくしたい時につけます。
たとえば、オーケストラの演奏では楽譜に指示が書いてあるので、その場面になったら弱音器をつけて演奏する・・・というように使います。
ちなみに弱音器をつける指示はイタリア語で「コンソルディーノ」、はずす指示は「センツァソルディーノ」というんですよ。
ヴァイオリンのミュート(消音器・弱音器)を種類別に解説【特徴・つけ方】
消音器と弱音器の違いがわかったところで、どんな種類やつけ方があるのかを説明しますね。
消音器のつけ方
ヴァイオリンには4本の弦があり、これを支える重要な板の部分は「駒(またはブリッジ)」と呼ばれています。
弦の振動が駒を伝って楽器の空洞の中で増幅し響くことによって、ヴァイオリンの音が出るしくみになっています。
この駒の部分に消音器を取りつけると、4本の弦の響きが伝わりにくくなって音を小さくする効果が得られます。
消音器のつけ方は2通りあります。
- 駒の上からかぶせるようにつけるタイプ
- 磁石が入ったゴムを駒に巻きつけるタイプ
消音器の種類と特徴
消音器の種類はいろいろありますが、主なものはゴム製と金属製です。
それぞれの特徴はこちら↓
【ゴム製】
- 値段が手頃→安いものは500円くらいからある
- 扱いが楽でヴァイオリンに傷がつきにくい
- デメリット→ゴムが劣化しやすい
【金属製】
- ゴム製より消音効果が高い
- 値段は安いものは1000円以下、高いものだと5000円以上
- デメリット→重いので扱いが難しい
弱音器のつけ方
消音器に比べると弱音器は形が小さく、つけ方も簡単です。
ヴァイオリンの弦は4本あり、そのうち中央の2本はそれぞれA(アー)線とD(デー)線と呼ばれています。
その中央の2本の弦に弱音器を引っかけて、駒の位置までずらします。
弦を抑えると音の響き方が変わり、やさしい音色を出すことができるんですよ。
演奏中、使う必要のない時は駒から外して、弦のアジャスター側にひっかけておきます。
音色を変える効果が必要な場面になったら、駒までずらす・・・という使い方をします。
弱音器の種類と特徴
2本の弦を抑えて音色を変える弱音器の種類は、木製、ゴム製、金属製の3種類があります。
材質が違っても音色の差はないので使い分けるという訳ではなく、演奏者の好みによって選ばれるようです。
ゴム製は価格も安く、数百円程で買えることができます。
金属製はシルバーやゴールド(24K)、ブロンズ(青銅)など素材がさまざまです。海外製品だと5000円以上の高価なものがあります。
ヴァイオリンのミュート効果を種類別に一覧表にしたよ
消音器の種類はさまざま、「どれがいいのかよくわからない!」という人のために一覧表にしてみました。
※ヴァイオリンの音量(消音器なし)77㏈
通常の話し声 60㏈
電話の呼び出し音 70㏈
ゴム製 |
木製 |
金属 |
磁石 (表面ゴム製) |
|
消音効果 | 69㏈ (通常より-8db) |
71㏈
(通常より-6db)
|
61㏈ (通常より-16㏈) |
71㏈
(通常より-6db)
|
価格帯 |
500円~ |
500円~ |
800円~ |
3500円~ |
特徴 | 軽い・キズがつかない | 軽い・キズがつかない | 消音効果が一番ある・重い | 視界を遮らない |
ヴァイオリン初心者におすすめのミュート(消音器・弱音器)はどれ?
ヴァイオリンの音を小さくしてくれる消音器ですが、いろいろな種類があって初心者にはどんなものがいいのか迷いますよね。
基本的に初心者にはゴム製がおすすめ。
最も消音効果があるのは金属製ですが、デメリットもあります。重いので落としてヴァイオリンを傷つけたり、駒につけた消音器に手や弓が当たって駒ごと壊してしまう恐れも・・・
ゴム製でも駒にすっぽりかぶせるタイプのものは、そこそこの消音効果があり値段も安いので、まずは試してみるのもいいでしょう。
おすすめはULTRAゴム製ミュート。
初心者でも扱いやすく、簡単に取りつけられます。ヴァイオリンに傷をつける心配もありませんよ。
安くて消音効果もあるので人気があります。
ミュートなしでも練習しよう!消音器・弱音器のデメリット
騒音対策に効果があって便利な消音器ですが、実はデメリットもあります。
ずっと消音器をつけて練習していると、小さな音に慣れてしまいます。
ヴァイオリン本来の響きのイメージが作れなくなり、練習効果も薄れてしまうんです。
たまには公民館や音楽スタジオ、カラオケボックスなどを利用して大きな音で練習してみるのもいいでしょう。
音楽スタジオは音響効果もあるのでおすすめです。
都内だと料金が1時間1000円以下の格安スタジオもあったりして、ヴァイオリンの練習にはもってこいです。
>>ヴァイオリンの練習場所について解説する記事はこちら
まとめ
今回は、ヴァイオリンの練習をしたいけど音が気になっておもいっきりできない・・・そんな時におすすめのミュートについて説明しました。
ミュートには2種類あって、音を小さくする効果の消音器と音色を変える効果の弱音器があります。
練習する時に音量を抑えたいなら、消音器を使いましょう。
消音器の種類はたくさんありますが、初心者には安価で扱いも簡単なゴム製がおすすめ。
消音器付きの小さな音に慣れると練習効果も薄れてしまうので、たまには消音器なしでヴァイオリン本来の音の響きを楽しむことをおすすめします。 消音器をうまく使って、素敵なヴァイオリン生活を送ってくださいね。