・チェロの音ってどのくらい外に聞こえるの?
・平日は働いているから夜と週末しか弾けないけれど、マンション住まいだし音が気になる…
・そもそもうちのマンションは楽器不可。チェロやりたいけど、無理かな…
マンションやアパートなどの集合住宅にお住いの方は特に、練習中のチェロの音がどのくらい周囲へ聞こえるのか?みんな他の人は練習どうしてるのかな?などと気になりますよね。
今日はチェロの「練習場所」「防音対策」について色々深掘りして考えてみたいと思います。
そもそもチェロの音量ってどのくらい?
環境省による「騒音に係わる環境基準」では、一般的な住宅地で許容される音量の基準値を、昼間(6:00〜22:00)は55デシベル(dB)以下、夜間(22:00〜翌6:00)は45デシベル(dB)以下と定めています。つまり、この基準値を超える音量は騒音とみなされる可能性があります。
と、一応こんなことを言ってみたはいいものの、
55デジベルってどれくらいよ?チェロの音量って何dBですか?
と言われても、正直私にもわかりません;住んでいる家や周りの環境も人によって全然違うでしょうし、弾く人の力量によってもかなり違ってくるはず。
そして、当たり前ですが、どれくらい家の外にチェロの音が聴こえているか?自分で確認することはできません。
ただひとつ言えることは、チェロはそれなりに大きな音が鳴る楽器だということ。
住宅地、特に集合住宅で演奏をする場合は、近隣住民の方への配慮が必要不可欠ですし、できる限りの防音対策をすべきだと思います。
マンションでの楽器演奏は近所迷惑、騒音か?
まずはじめに言っておかなくてはならないのは、楽器演奏の音が近所迷惑か?騒音か?を決めるのは「演奏者であるあなた」ではなく「近隣住民」です。
自分の常識と他の人の常識は違うということを常に頭に置いておかなければならないと思います。
近隣の方の「生活スタイル」「常識」を知り、「性格」を想像する
これ、とっても大事です。
もしあなたが家でチェロなりピアノなり楽器練習したいと思ったら、
♪ピンポ〜ン♪
「すみませ〜ん、あの〜突然で申し訳ないんですが〜実は私チェロを趣味でやっているのですが…練習とかしちゃったりなんかする時もあるので…ちょっと音がうるさいかもしれないのですが…大丈夫ですか?わ〜ありがとうございます〜。あっ昼間はお仕事でいらっしゃらないんですね、わっかりました〜!もし何かありましたらすぐいつでもおっしゃってください」
こんな会話かどうかはわかりませんが(笑)、とにかく良識ある大人だったら近隣の方へご挨拶に伺うかと思います。
不運にも音楽に全く理解のない方や、神経質な性格の近隣住民だった場合、あなたの練習する音は「騒音」でしかないので、家で弾くのはいさぎよく諦めてください。
で、ここでは一応
- 「大丈夫ですよ」とは言っていただいた。
- そしてご近所さんの生活スタイルも把握した。
とします。
ですが、その方が本当のところどう思っているのか?
その心配は残念ながら解消されることはありません。
ご近所の方の「大丈夫ですよ」も、きっとあなたに気を遣っているはずです。本当は嫌なんだけど、「嫌です」とはっきり言えずに、毎日あなたの練習の音を聴いてモヤモヤ過ごしているという方もいるかもしれません。
もし自分だったら?
例えば、疲れて少し眠りたい時。子供をやっと寝かしつけた時。夜勤明けでがっつり休みたい時。
こんな時、お隣から何やら気になる音が聴こえてきたら嫌ですよね。ましてや、自分が好きな楽器だったらまだしも、好きじゃない楽器や音楽を聞かされたら・・・
ですが、いくら嫌でも、なかなか言い出せないものだと思います。誰だってご近所さんとは長い付き合いになるし、なるべくならうまくやっていきたい。よっぽどのことじゃないとクレームは言えないものです。
お隣さんの子供が受験勉強中かもしれないし、すごく気が小さくて言い出せない人かもしれません。世の中色々な人がいるし、色々な生活スタイルがあります。
「自分が与える周囲への影響や反応」にしっかり向き合い想像することが、まず第一に大事なことだと私は思っています。
そして、お互いに気持ちよく過ごすために、できる限りの配慮や工夫、防音対策を考えることが大切です。まずは、ご挨拶へGO!(笑)
ご近所さんへのご挨拶ポイントまとめ
- 何の楽器を、いつ、どのくらいの時間練習するのかを先にお伝えしておく。
- ご近所さんの生活スタイルを把握し、なるべく迷惑のないよう時間を話し合って決めておく。(◯時〜◯時までなど)
- 少しでも音が気になったらいつでも言ってください、と言っておく。
- 季節ごとのご挨拶などは欠かさず(笑)
次は、Arcoの生徒さんや世の中のチェロ弾きの方々がどうやって練習場所を確保しているのか?まとめてみました。
先輩チェロ弾きたちのリアルな練習状況をシェア
気にしない派【自宅でやっちゃう】
男性(人生経験豊富な感じの)
常識の範囲内でやっているので特に気にしていません。朝は9時から、夜は20時までと決めてやっています。チェロの音がどのくらい外に漏れているのか、家内に聞いてもらったことがあるけど、ボーッとした低音がなんとなく聞こえる程度で、あんまり聞こえてないみたいだったなぁ…。
使い分け派【サイレントチェロとアコースティックチェロ】
結局のところ、他のお宅へお邪魔してどのくらい音が聞こえているのかなんて確認することはできないし、変に気にしてコソコソ弾くことで、フォームが崩れたり音がしょぼくなってしまうのが怖かったので、サイレントチェロを別途購入しました。練習はサイレント、レッスンはアコースティックチェロ、と使い分けをしています。
合理主義派【カラオケボックスへGO!ドリンク付き】
私の住んでいるアパートは木造なので、音はもろに聞こえてしまいます。家で演奏することは難しいので、カラオケボックスを利用しています。ドリンクも出てくるので良いんですよ(笑)
マメな堅実派【公共施設を予約】
女性(ワーキングママ)
私は平日は働きに出ており、楽器が弾けるのは21時以降になってしまいます。マンションの住人への迷惑も気になってしまうし、週末だけ近くの楽器演奏可能な公共施設を数時間借りて練習しています。小さな子供もいるので、実家に子供を預けて少しだけの自分の時間を楽しんでいます♪料金も1時間で数百円とかですので、とっても経済的!
音楽どっぷり派【音楽スタジオを利用】
私の生徒さんの口コミ
趣味のために働いてる人
急いで会社から家に帰って、レンタルスタジオを利用しています。いろんな楽器を練習している人がいるので、面白いし刺激になります!
ブルジョワジー【自宅に防音室設置】
私の生徒さんの口コミ
夜ガシガシ弾きたい派なので、部屋にY社のボックス型防音室を設置しています。ただし広さ的には3畳も無いので狭いですし、何より高い。金銭的に余裕のある方にはおすすめしますよ。
その他防音対策
そのほか、色々な防音対策をまとめてみました!
- マンションなら1階に住む(エンドピンを刺すので下に響くのだとか)
- 壁に遮音パネルを貼る(リフォーム会社に依頼)
- 二重サッシにする(リフォーム会社に依頼)
- 壁に断熱材[/st-kaiwa1]
- 自分で防音パネルを貼る(ホームセンターで買ってきてDIY)
- 防音カーペットを敷く(静床ライトなど)
- 毛足の長いモフモフ絨毯を敷く(吸音)
- 絨毯→石膏ボード→絨毯のサンドウィッチが防音効果高いのだとか
- 窓枠より大きめのカーテンを2枚吊るす(厚くて重いカーテンの方が吸音効果あり)
- ドアや換気扇や吸気孔を塞ぐ(隙間から音が漏れるため)
- ゴム製の遮音シートを敷く(床に触れないように山型に浮かせると尚良い)
これら全てを実現するのはなかなか難しいかと思いますが、できる限りの最善を尽くしてみてください^^
練習場所、周囲への影響はケースバイケースです。あなたにあった方法を見つけてくださいね!