ヴァイオリンをこれから始めようと考えているけど、「左利きがヴァイオリン弾くのって難しいのかな?」と不安に思ったりしてませんか?
確かに自動改札機、自販機のお金投入口やカメラのシャッターなど、世の中って「右利きデザイン」であふれてますよね。
ヴァイオリンも含めた弦楽器も同じく、右手で弓を持つ仕様のものばかり・・・。
ただ、そんな心配はご無用!
この記事では、左利きでも安心してヴァイオリンを始めるための情報をまとめています。
【結論】左利きでもヴァイオリンの上達にはあまり関係なし!
まずはヴァイオリンの基本的な扱い方を理解する必要があります。
ヴァイオリンを弾くには大きく2つの要素があって、フィンガリングとボウイングです。
- フィンガリング:指使いのこと。→左手の動き
- ボウイング:弓の上げ下げのこと。→右手の動き
つまり、ヴァイオリンは左手も右手も使って演奏する楽器です。
どちらの手も同じくらい大切な役割なので、ヴァイオリンを上手に演奏するのに利き手は関係ありません。
両手が利き手のように動かせるまで練習することが上達への近道ということです。
ちなみに、「シンプルに弓を左手、ヴァイオリンを右手に持てばいいのでは?」と思うかもしれませんが、弦の順番が逆になってしまうのでうまくいきません。
しかもヴァイオリンはオーケストラやアンサンブルなど、他の人と一緒に演奏する機会が多い楽器です。
隣の人と反対の構えになっていると悪目立ちしてしまいますよね。
左利きだけど普通に右弾きのプロヴァイオリニストもいる
プロヴァイオリニストの中には、左利きだけど右弾きで活躍する方が多く存在します。
代表的な方を例にあげると、古澤巌さん、千住真理子さんが有名です。
古澤巌さん
画像引用:公式サイト
古澤巌さんは1959年東京都生まれ。桐朋学園大学卒業。フィラデルフィア・カーチス音楽院卒業。
3歳の頃、保育園の先生が「左利き」だから習い事をさせた方が良いというのが始めたきっかけ。ヴァイオリン教室の先生から「左利きならやめた方がいい。人の3倍は練習しないといけない」と言われ、泣きながら練習をしていたそうです。
コンクール歴は、日本音楽コンクール第1位、イタリアアバドコンクール第1位など華々しい経歴があります。
千住真理子さん
画像引用:公式サイト
千住真理子さんは1962年東京都生まれ。慶應義塾大学卒業。
全日本学生音楽コンクール小学生の部全国1位と早くからヴァイオリニストとしての才能を認められていましたが、ヴァイオリンの先生からは「左利きはヴァイオリニストにはなれない」と言われた悲しい思い出があるようです。
その後のコンクール歴は、日本音楽コンクール、パガニーニ国際コンクールなど、古澤さんと同様に華々しい経歴です。
2人とも当然のことながら一般的な右利き用のヴァイオリンを使用して有名なヴァイオリニストになっています。
ちなみに「左利き用ヴァイオリン」というのも一応ある
右手でフィンガリング、左手でボウイングのスタイルの、いわゆる「左利き用ヴァイオリン」も世の中には存在します。
ただ、通常は製作されることがないオーダーメイドのものとなっています。
オーダーメイドの中にはどれだけ安くても数十万円と、比較的高額です。
世の中で出回っているものはほとんどが中古品で、その数はとても少なく手に入れるのは難しいかもしれません。
ただ左利き用のヴァイオリンは、たとえば「事故によるケガなどで左手のコントロールが難しい」という方でもヴァイオリンを弾けるためのものだったりします。
左弾きで上手に弾いている人もいる!
海外のヴァイオリニストで左弾きでヴァイオリンを弾きこなしている方もいます。
(※右弾き用ヴァイオリンを左弾きしています)
右弾きの方と同じように演奏しており、かなりの鍛錬を積んだことが伺えます。
ただ先ほどもお伝えしたように、左利き用のヴァイオリンは特注品です。オーダーメイドするか、数少ない中古品を見つけるか、どちらにしても楽器の準備には苦労するでしょう。
あくまでもヴァイオリンの左弾きはレアなケースです。基本的には左利きの方も右弾きで演奏するものと思っておいてください。
まとめ
ヴァイオリンの上達において左利きが不利になることはありません。
余計な心配はせず、さっそく練習を始めてみてはいかがですか?