ヴァイオリンを弾いているとき、うなりをともなう不快な音に悩んでいませんか?
これはウルフトーン(ウルフ音)といい、音鳴りのよい弦楽器でよくおこる現象です。
でも、実はこのウルフトーンは調整することで簡単に解消することができるんです。
そこでこの記事では、「ヴァイオリンのウルフトーンとはなにか?」を説明します。
その上で、「ウルフトーンの解消方法」を分かりやすく解説します。
ヴァイオリンのウルフ音(ウルフトーン)とは?
ウルフトーンとはウルフ音とも呼ばれ、特定の音を出したときに悪い共鳴を起こして震えるような妙な音が出ることをいいます。
これはヴァイオリンやチェロのような弦楽器におこる現象です。
文字で説明するより実際に聴いた方が分かりやすいので、まずはこちらの動画をみてください。
この動画はコントラバスのウルフトーンですが、ヴァイオリンでも同じような現象がおきます。
これはウルフトーンの解消をする動画となっていますが、あきらかに最初の音と調整後の音が違うのが分かると思います!
ちなみに、ウルフトーンがおこることは「よい楽器の証拠」とも言われています。
とはいえウルフトーンが生じるといい演奏ができないので、次の項目からはウルフトーンを解消する方法を紹介していきますね。
ヴァイオリンのウルフトーンを解消する方法【簡単】
ヴァイオリンのウルフトーンを解消する一番簡単な方法は、「ウルフキラー」という部品を弦につけてウルフを軽減させる手法です。
ウルフキラーは「ウルフ止め」とも呼ばれ、重りの役目を果たして振動するポイントの幅を調節してくれます。
ウルフキラーが弦の振動を逆方向に同じ力の振動を与えることでウルフトーンを抑える原理になり、ノイズキャンセルにも同じ理論が使われています。
なお、ウルフキラーをつける位置は駒とテールピースの間になります。
人気おすすめなウルフキラーを紹介
ウルフキラーには、いろいろな種類や素材があります。
今回は、人気があって最もポピュラーなウルフキラーを紹介します。
おすすめはドイツ製のこちらのウルフキラー。
画像引用:楽天
外側は金属ですが、内側にゴムが入っていて効率的にウルフトーンを排除してくれます。
重さも約3gと軽く小さいので、見た目が悪くなることもありません。
価格も税込1,650円とリーズナブルなので、まず最初に試してみるには最適です。
楽器を調整してウルフトーンを解消する方法もある【職人の出番】
「なるべくウルフキラーを使いたくない」という方もいらっしゃいますよね。
たしかに楽器に余計なパーツをつけると、響きが悪くなる原因にもなりかねません。
そこで弦楽器職人さんの出番です。
ウルフトーンはヴァイオリンの駒を削ることで解消できる可能性があります。
ただこればっかりは素人には無理な芸当なので、必ず楽器店や職人さんに相談しましょう。
こちらは、どのようにウルフトーンを調整するのかが分かる動画になっています。
弦楽器職人さんはこの動画のように少しずつコマを削りながら、不要な響きなどを取り除いて音を整えていきます。
まさに職人技ですよね!
プロの手に任せれば、ウルフキラーが必要なくなるまで調整をしてもらえます。
ウルフキラーを使いたくない方、ウルフキラーでは手に負えない方はぜひプロの職人さんにお願いしてみましょう。
楽器を買うときはウルフトーンもチェックしよう
それぞれの楽器には個性があります。
同じヴァイオリンでも、その個体によって鳴りやすい音が違うのです。
プロの弦楽器職人さんでも手こずってしまうような個性の強いヴァイオリンもあるそうです。
それなりに高い楽器であるヴァイオリンを買ってからウルフトーンに気づくのでは遅いですよね。
失敗しないためにも、ヴァイオリンを購入するときは試奏してから慎重に決めましょう。
ヴァイオリンを試奏する時のポイントは以下の3点です。
- 楽器の響き具合
- 楽器の音程感
- 楽器のサイズ感
ウルフトーンのチェックには、弦を思い切って鳴らしてみましょう。
できれば、自分だけではなく他の誰かに聴いてもらいながら判断するといいですね。
ちなみにその場で決められない場合、お店によっては楽器の貸し出しを行なっていることもあります。
何日かヴァイオリンを貸りて、弾きながらゆっくり考えてみてもいいでしょう。
きちんとチェックして購入することで長く付き合える楽器と出会えるので、より素晴らしい演奏ができるようになりますよ!
まとめ
今回は、「ヴァイオリンのウルフトーンとは?簡単な解消方法を解説する」というテーマでお伝えしてきました。
ウルフトーンは特にヴァイオリン初心者を悩ませる現象ですが、実はきちんとヴァイオリンが鳴るように弾かないとウルフ音は出ないのです。
ウルフトーンで悩むということは、正しくヴァイオリンが弾けている証拠なので自信を持ちましょう。