ヴァイオリンの知識

「ヴァイオリンを自宅(アパート・マンション)で弾くとうるさいし迷惑だよね…」という方におすすめ練習場所を紹介するよ

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「ヴァイオリンを自宅(アパート・マンション)で弾くとうるさいし迷惑だよね…」という方におすすめ練習場所を紹介するよ

ヴァイオリンも買ったし、いっぱい練習するぞ!でも、家の中で弾いたら迷惑かな?

ヴァイオリンが上手くなるためには、たくさんヴァイオリンを弾くことが必須です。
でも、普通のアパートやマンションでは防音設備が整っていないので、苦情が来ないか心配ですよね?
せっかく趣味でヴァイオリンを楽しもうと思っても、トラブルになるとイヤな気分になり楽しめなくなってしまいます。

Arco編集部
この記事では、ヴァイオリンを自宅(アパート・マンション)で弾くのはうるさいし迷惑かな?と心配している方に向けて、演奏家として活動経験ありの私がおすすめする練習場所や練習方法を紹介します。

ヴァイオリンは結構うるさいのでアパート・マンションだと近所迷惑…

そもそも、ヴァイオリンの音ってどれくらい大きいのでしょうか?

普通にヴァイオリンを弾いた場合、大体80db(デシベル)~90dbの音が発生します。
この80db~90dbというのは、犬の鳴き声や、工事現場の音と同じくらいの音です。

結構うるさいですよね?
ちなみに、騒音の基準となる音の大きさは環境基本法という法律で決まっていて、住宅地などでは次のような基準となっています。

  • 住居用として供される地域では昼間55db以下、夜間45db以下
  • 道路に面している場所は、地域によって基準値に5~15dbを加えた数値
  • 幹線道路に面している地域は、一律で昼間70db以下、夜間65db以下まで基準は下がる

(参考:環境省「騒音に係る環境基準について」

法律面で見ても基準をはるかに超えていますね。
このように、防音設備の整っていない自宅(アパート、マンション)では、普通にヴァイオリンを弾いてしまうと間違いなく近所迷惑になってしまいます。

どうしてもヴァイオリンを自宅で練習したい!という方のための方法まとめ

「でも、どうしてもヴァイオリンを自宅で練習したい!」

そんなあなたのために、自宅で練習する方法をいくつかご紹介します。

ただし、大前提として音の感じ方というのは人それぞれですし、例えば小さな赤ちゃんがいる、コロナのせいで在宅勤務になっているなど各家庭で事情も違います。
対策をしたとしてもうるさいと感じる方はいるということを忘れないでください。

東京都では騒音トラブルが殺人事件に発展してしまった事例もあります。
事前にご近所さんにご挨拶をして断っておくことがトラブルにならないためにもすごく大事です。

Arco編集部
もちろん常識的な時間帯を守ることも大切です。マンションによっては規約等で楽器演奏が禁止されていたり、時間帯が明記されていることもありますので確認しておきましょう。

では、自宅で練習する方法として以下の3つをご紹介します。

  • ミュート(消音器・弱音器)をつける
  • 自宅に防音室を入れる
  • サイレントヴァイオリンを使う

ミュート(消音器・弱音器)をつける

1つ目の方法はヴァイオリンにミュート(消音器・弱音器)をつけることです。

これがミュートです。ゴム製と金属製で値段は変わりますが、安いものだと500円程度で購入できます。

ウルトラミュート/バイオリン用 消音器 サイレンサー(USA製)

>>楽天市場でミュート(消音器・弱音器)を見てみる。

ヴァイオリンは、弦の振動が駒を通してボディに伝わり、ボディを共鳴させることで音を鳴らす楽器です。
ミュート(消音器・弱音器)は、駒の振動を強制的に押さえボディへの共鳴を減らすためのもの。
簡単に言うと、ミュート(消音器・弱音器)を取り付けることでヴァイオリンから出る音を小さくできます。

では、どれくらい音が小さくなるのでしょうか?
素材にもよりますが、ミュート(消音器・弱音器)を使って弾くと60db~70dbまで下がります。ちなみに、70dbで2m離れたセミの鳴き声、60dbで通常の話し声程度です。

なお、20db大きくなると音のエネルギーは10倍、40dbで100倍になりますので、体感的には普通に弾いた場合よりもかなり音が抑えられたように感じられますが、音が消えるわけではないので完全な対策とはいえません。

また、ミュート(消音器・弱音器)を使うデメリットもあります。

  • 練習効果が下がる
  • 小さい響きに慣れてしまう
  • 楽器を破損させる危険性がある

ミュート(消音器・弱音器)を使うことで弦の振動を強制的に抑えるため、微妙に音程が狂い練習効果が下がってしまいます。

また、本来ヴァイオリンは音を存分に響かせる楽器です。
しかし、ミュート(消音器・弱音器)を使って押さえつけられた音の響きに慣れてしまうと、ヴァイオリン本来の音のイメージを持ちにくくなってしまうため良くありません。

さらに、金属製のミュート(消音器・弱音器)は、重量があるため万が一落としてしまうとヴァイオリンを破損させてしまう危険性があります。
ミュート(消音器・弱音器)を使って練習する際には、取り扱いに注意しましょう。

ミュートの種類や使い方について詳しく知りたい方はこちらを参考にしてください。

>>ヴァイオリンのミュート(消音器・弱音器)の効果はどのくらい?種類を比較しておすすめを紹介【つけ方も解説】

自宅に防音室を入れる

2つ目の方法は、自宅に防音室を入れることです。
防音室はその名の通り、防音機能のある小屋のようなものです。

でも、自宅に防音室を入れるのに大きな工事が必要なんじゃないの?

たしかにオーダーメイドで自宅に合った防音室を設置するために工事が必要なものもあります。

セフィーネNS
画像引用:YAMAHA「防音室・防音パネル」

YAMAHAの防音室・防音パネルは、使用用途や自宅の種類(マンション2階以上など)に応じた防音室を設置することができます。

ただし、一番小さいものでも設置するのに約130万円かかります。
「さすがに130万円は高すぎる・・・」

そこでレンタル防音室というものもあります。

セフィーネNS
画像引用:YAMAHA「防音室レンタル」

こちらのレンタル防音室ですと、0.8畳~1.5畳用を月額14,500円で借りることができます。
なお、YAMAHAの防音室内でヴァイオリンを演奏すると、大体60dbまで音を抑えられます。

その他にも、段ボールでできた防音室なんてものもあります。


画像引用:だんぼっち

これはレンタルではありませんが、8万円くらいで購入することができます
段ボールといえど、ヴァイオリンの音を60dbまで抑えることができますのでバカにはできません。
防音室は1畳分くらいのスペースがあれば設置可能です。

防音室に入れば練習に集中できますので、自宅で練習したいという方にはおすすめですよ。

サイレントヴァイオリンを使う

3つ目の方法はサイレントヴァイオリンを使うことです。

SILENT Strings
画像引用:YAMAHA「サイレントシリーズ」

サイレントヴァイオリンとは、YAMAHAが出しているエレキヴァイオリンです。
アコースティックヴァイオリン(普通のヴァイオリン)とは違い、アンプにつないで音を出したり、ヘッドフォンで音を聴いたりできます。

サイレントヴァイオリンを弾いたときに発生する音の大きさは60db前後で、通常の話し声程度です。
(ただし、音が全く鳴らない訳ではないので、ご近所さんからクレームがくる可能性はゼロではありません。)

なお、サイレントヴァイオリンは普通のヴァイオリンと別物であると考えてください。
サイレントヴァイオリンで練習すると次のようなデメリットがあります。

  • 音程が取りにくい
  • アコースティックヴァイオリンよりも重い

サイレントヴァイオリンは、アコースティックヴァイオリンと音の出る仕組みが違います。
アコースティックヴァイオリンは、弦が振動し、ボディが共鳴することで音が響きます。
一方で、サイレントヴァイオリンは弦の振動によって生じた音をピックアップが拾い、電気的に増幅させることで音が響きます。

この構造の違いによって、アコースティックヴァイオリンに比べてサイレントヴァイオリンでは音程をとることが非常に難しいです。

加えて、サイレントヴァイオリンはアコースティックヴァイオリンよりもエレキ部分のパーツがある分重いです。
一般的なヴァイオリンの重量が300~400gであるのに対して、サイレントヴァイオリンはエレキ部分を含めると500~600gになります。
微妙な違いと思われるかもしれませんが、この微妙な違いが弦を抑えるタッチなどに影響しますので注意が必要です。

サイレントヴァイオリンに関して気になる方はこちら↓

>>サイレントヴァイオリンの音量はどのくらい?おすすめを比較して紹介します

自宅以外でヴァイオリンを弾くなら!練習場所まとめ

ここまでは自宅で練習する方法について紹介してきました。

ただ私の経験から言わせていただくと、ご近所さんの苦情にビクビクしながら練習しても集中できませんし、小さい響きに慣れてしまうのでおすすめしません。
防音室も1人分のスペースしかなく狭いので、できれば広い部屋でのびのびと弾いてもらいたいです。

Arco編集部
そこで、ここからは自宅以外で楽器の練習ができる場所をご紹介します。

音楽スタジオ

音楽スタジオは、バンドの練習でよく使われているイメージがあるかと思いますが、1人でも利用できます。

防音設備もバッチリなので思いっきり音を響かせることができますし、楽器の貸し出しをしてくれるところもありますので仕事帰りに気軽に立ち寄れるのは便利ですね!
利用料金の相場は、バンドの練習で使うような部屋ですと1時間1800~3000円くらいです。2人用の部屋だと1時間600~1000円で利用できます。

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画像引用:サウンドスタジオノア恵比寿店

機材の使い方がわからなくても、スタッフが丁寧に教えてくれますので、初心者でも安心して利用できますよ。

公民館、市民会館の練習室

地域にもよりますが、公民館や市民会館に防音設備の整った音楽室があります。

↓画像は多摩市の音楽室ですが、12名まで入れる部屋が500円以下(終日利用でも1000円)で利用できます。地域によって利用料は違いますが、音楽スタジオに比べると断然安いですね!

第二音楽室の写真
画像引用:多摩市役所

ただ、部屋数が少ないので予約が取りにくいのが難点です。
また、音楽に精通したスタッフが常駐しているわけではありませんので、機材の取り扱いに慣れてから利用するのがいいですね。

レンタルスペース

防音設備の整ったレンタルスペースを借りて練習する方法もあります。


画像引用:スペイシー

利用料の相場は1時間1000~3000円くらいですので、音楽スタジオとあまり変わりません。
ただ、トイレやキッチンまでついているところもありますので、休日にこもって練習するのにピッタリですよ!

カラオケ

カラオケ店でも楽器演奏ができるって、知ってましたか?


画像引用:コート・ダジュール赤坂店

もちろん普通に歌うために利用するのと料金は変わりませんので、1時間300円くらいで入れます。フリータイムで入れば更にお得です。
フリードリンクもついてきますし、ちょっと息抜きにカラオケを歌うこともできますよ!

Arco編集部
ただ、周りがちょっとうるさく感じるかもしれませんので、静かな環境で練習したい方にはおすすめしません。

野外(大きな公園、河原、土手)

「できるだけ、お金は節約したい・・・」という方には、野外での練習をおすすめします。
天気の良い日に大きな公園や、河原、土手などでヴァイオリンを演奏すると気持ちいいですよ!
もちろん利用料もかかりませんし、予約も必要ありません。

「人に見られるのが恥ずかしい」と思うかもしれませんが、逆に考えれば人前で演奏するメンタルが鍛えらます。

ただし、以下の点に注意してください。

  • 楽器演奏NGの公園ではないか?確認しておく
  • 楽器は直射日光NGなので、野外で演奏する場合は木陰や橋の下で
  • 風が強い日は砂ぼこりなどで楽器が痛むのでやめた方がいい
Arco編集部
また、野外で練習する場合であっても、常識的な時間帯でやりましょう!

まとめ

今回は「自宅(マンション、アパート)に防音設備がない方のための練習方法や練習場所」を紹介しました。

「多少お金を出してでも自宅で練習したい」という人もいれば、「できるだけ節約したい」という人もいると思いますので、今回紹介したものの中から自分に合った練習方法を見つけていただければ幸いです。

Arco編集部
ヴァイオリンを楽しむためにも、周囲に迷惑をかけないように練習しましょう♪

 

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